個別株投資は、投資初心者にとってはハードルが高いようです。そのため、投資デビューは投資信託でみんなが買っているものを選んでいる方も多いのではないでしょうか?でも、しばらく投資をしていると個別株投資もしてみたいという方も多いと思います。そこで、今回は、楽天証券が7/16にスタートさせた「かぶピタッ™」という新サービスを紹介します。

「かぶピタッ™」
「かぶピタッ™」は楽天証券が7/16にスタートさせた新サービスの名称です。国内株式の購入は、基本的に1単元(100株)からとなっていますが、「かぶピタッ™」は100円から好きな金額で購入が可能です。

既存サービスの「かぶミニ®」との比較
ご存じの方もいるかもしれませんが、楽天証券では「かぶピタッ™」と同様、少額から投資できる「かぶミニ®」というサービスがあります。ここでは、両サービスについて3つの視点から比較してみます。以下の表は、両サービス相違点についてまとめたものです。
かぶピタッ™ | かぶミニ® | |
最低投資単位 | 100円 | 1株 (銘柄により異なる) |
取引可能口座 | NISA口座のみ | NISA口座・特定口座・一般口座 |
約定 | 毎営業日の9:30 | リアルタイム:指値・成行 寄付:成行 |
取引チャネル | スマホウェブ | PCウェブ・スマホウェブ・ スマホアプリ「iSPEED」 |
ポイント利用 | 可 | 可 |
手数料 | 無料 | 無料 |
スプレッド | 0.22% | 0.22% (リアルタイム取引) |
少額投資の視点
少額から投資ができるという視点では、「かぶピタッ™」に優位性があります。「かぶピタッ™」は100円から投資可能ですが、「かぶミニ®」は最低投資単位が1株です。そのため、100円以下で投資可能な銘柄もありますが、値嵩(ねがさ)株と呼ばれるような株価が高い銘柄であれば5万円程度必要となる場合もあります。
投資方法のバリエーション
投資方法のバリエーションという視点では、「かぶミニ®」の方が優位性があります。「かぶミニ®」は、NISA口座はもちろん特定口座や一般口座にも対応していますし、特定の一時点だけでなく、通常の1単元の取引と同様に成行注文や指値注文が可能です。それに対して、「かぶピタッ™」はNISA口座のみの対応で、毎日東証の始値(寄付価格)での約定(別途スプレッドが必要)です。なお、「かぶピタッ™」は当日8:45までの注文のみ当日9:30に約定されます。
手数料の視点
手数料等の視点では、どちらもほぼ同じです。取引手数料はどちらのサービスも無料ですし、スプレッドもどちらも0.22%です。ただし、「かぶミニ®」の寄付の場合は、スプレッドはありません。
「かぶピタッ™」の活用方法
「かぶピタッ™」を活用した具体的な投資方法についてです。
少額でも均等に投資を分散させたい
「かぶピタッ™」は、少額での均等分散投資が可能です。以下の表は2025/7/18終値の各銘柄の株価をまとめた表です。

少額から投資する場合、「かぶミニ®」で各業種から1株ずつ購入すると株価が一番低いもの(三菱UFJFG、三菱商事、NTT)全て購入した場合、全部で約5,000円必要となります。株価がそれぞれ異なるため、当然ですが、投資金額の割合のうち商社が50%以上占めることとなります。つまり、以下のポートフォリオの場合の投資成果は、三菱商事の株価の増減に大きく影響を受けます。

対して、同じ約5,000円を「かぶピタッ™」で上記と同じ銘柄にそれぞれ1,666円投資すると当然ですが、投資金額の割合はどの銘柄も1/3ずつになります。つまり、投資した額が特定の銘柄のみの影響を受けにくくなります。仮に、各業種に1,666円ずつ投資して、その業種の各銘柄にさらに均等に分散して投資するとさらに、特定の銘柄のみの影響を小さくすることが可能となります。

おわりに
今回は、個別株投資初心者の方におススメしたい楽天証券の新サービス「かぶピタッ™」を紹介しました。個別株投資は、投資銘柄の選別が非常に難しくハードルが高いと感じる要因と思います。分散投資の方法は、投資信託の活用が考えられますが、自分でもやってみたいという方は「かぶピタッ™」の利用も検討されてはいかがでしょう。例えば3,000円で30銘柄に分散投資した場合、1銘柄の割合は約3%ですので大幅に下落した銘柄があっても全体に与える影響は限られます。また、投資信託と異なり保有中には、手数料はかかりません。購入時と売却時のスプレッドのみが必要経費です。