特定口座で保有する個別銘柄の取り扱い

2023年からNISAの制度が改正されますが、現在特定口座で保有している株式の個別銘柄はどのようにすべきか考えられている方も多いと思います。そこで今回は、場合分けをした上で具体的な対応を検討していきます。

含み損がある銘柄

この場合、利益がないため売却に伴う税金が発生しません。

そのため、

継続して保有する予定あり:特定口座で保有分の売却→NISA口座で同一銘柄の購入

継続して保有する予定なし:特定口座で保有分の売却→NISA口座で他の銘柄等の購入

が具体的な対応になっていくと考えられます。

売却時点で一旦、損失を確定させてしまうため、実行に移すのが難しいかもしれません。

ただ、継続して保有する場合は、その後上昇分や配当金は非課税となりますし、非課税保有限度額が設定されている以上、低い株価で購入する方がより多くの株数を保有することが可能となります。

また、継続し保有しない場合においても、「継続保有しない=他の銘柄に投資した方が今後利益を見込める」と考えらているからだと思います。そうであれば、投資できる資金が限られている以上、資金は利益が見込めると考えられる銘柄に投資すべきと考えます。

含み益がある銘柄

この場合も含み損がある銘柄と基本的に同様の対応ではありますが、売却時に税金が発生するため注意が必要です。

継続して保有する予定あり:特定口座で保有分の売却→NISA口座で同一銘柄の購入

長期で考えると上記の対応が良いと考えます。ただ、含み損の場合と異なり売却時に税金が発生するため注意が必要です。それは、基本的に同一銘柄を購入する場合、追加で資金を投じる必要があることです。追加で投じる資金は、含み益×20%分となります。(厳密には復興所得税を別途考慮する必要がありますが今回は簡略化するため無視します。以下、同様です。)

例えば、

購入時株価:1,000円
売却時株価:1,200円
再購入時株価:1,200円

とした場合、

売却後の投資資金は、1,160円(1,000円+200円×80%)で40円追加で資金を投入することで、同一銘柄への投資が可能となります。

含み益が大きい場合は、同一銘柄の再投資はより多くの追加資金が必要となることには注意してください。また、業績の見通しに不安があるような場合や減配、優待の廃止の可能性が考えられる場合は、株価が下落すると考えられますので、売却時期や再投資を少し後ろにずらすことも検討されてみてください。

将来、株価が下落することが怖いという方は、しばらく特定口座のまま保有するのもありだと思います。

継続して保有する予定なし:想定する利益となった時点で売却NISA口座で他の銘柄等の購入

継続して保有する予定がないものは、含み損がある場合と同様に他の銘柄に投資した方が今後利益を見込める」と考えらているからだと思います。そのため、当初想定する利益となった時点で売却し、他の銘柄に投資すべきと考えます。

おわりに

今回は、特定口座で保有する個別銘柄を新NISA導入後どうすべきかについて検討しました。基本的は、全て新NISA口座での再投資が良いと考えます。含み益がある場合のみ、しばらくそのまま保有するかの検討をされてください。現在、特定口座で個別銘柄に投資されている方は、ここが一番悩ましいポイントだと思います。

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