2024年に入り株価は上昇傾向にあり、ついに先日、日経平均は34年ぶりに史上最高値を更新しましたね!そんな中、個別株を購入したいけど高値掴みになりそうでなかなか買うことができないと思われている方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、現在のような株価が上昇局面においての個別株の投資戦略について考えてみたいと思います。
NISA口座と特定口座の違い
NISA口座と特定口座では、以下のような違いがあります。なお、ここでいうNISA口座は成長投資枠を前提としています。
税金については、NISA口座は、利益に対しては非課税であるものの、損失となっても損益通算できません。対して、特定口座は、利益に対して課税(約20%)されるものの、損失となった場合には、損益通算ができます。
投資額については、NISA口座における成長投資枠での投資額は、年間240万円となっており、非課税保有限度額は1,200万円となっています。対して、特定口座における投資額の制限はありません。
NISA口座は限られた投資額の中で最大限利益を確定できればいいのですが、損失を抱えた場合の取り扱いが難しいです。対して、特定口座は利益が確定した場合納税が必要ですが、損失が確定した場合は、他の利益と相殺ができるため損失を損失のまま終わらせずにすることが可能です。
NISA口座ではなく特定口座?
「株価はこれからどんどん上昇するでしょ!」と考える方も少なくないと思います。そういう方は、利益に対して課税される特定口座ではなく、NISA口座で個別株を購入されると思います。株価が上昇すると考えているのであれば、利益に対して課税される特定口座ではなく、利益に対して課税されないのNISA口座で購入するのが合理的です。
しかし、株価も日経平均は史上最高値を更新するという状況の中で、自分もその波に乗り遅れまいと投資したい気持ちもある反面、今が最高値でこれから下落するのではないかという気持ちもある方も少なくないと思います。
そこで、そういう方は、あえてNISA口座ではなく特定口座を使い特定口座の利点を活用してみてはいかがでしょうか。
具体的な方法
特定口座で個別株の購入
まず、現在のような上昇相場に乗り遅れないために、個別株を購入します。
ただし、購入するのはNISA口座ではなく特定口座で行います。
株価が下落した場合
投資時に不安に思っていた通り株価が下落した場合、いったん売却し損失を確定させます。その後、すぐにNISA口座で同一銘柄を購入します。
損失は確定してしまいますが、他の特定口座の売却益や配当金と損益通算することで源泉徴収された所得税等を取り戻すことができます。当初の購入した金額まで戻ったとしても、NISA口座のためその分の利益については非課税となります。
また、当初購入した株価よりも下落しているため年間投資額や非課税保有限度額の利用も小さくて済みます。
株価が上昇した場合
投資時の不安とは反対に株価が上昇した場合は、他の魅力的な個別株が見つかった場合や「これからどんどん上昇するでしょ!」という気持ちになった場合などは別ですが、基本的にそのまま保有です。
なぜなら、特定口座の場合、利益の約20%は源泉徴収され納税する必要があるからです。他に資金を振り向ける予定もなく、今後株価が下落して納税する必要がないかもしれないものをあえて先に納税しておく必要はないでしょう。
含み益については、売却しなければ納税の必要がありませんが、配当金については、受け取る以上、源泉徴収されて納税する必要があります。配当金に係る税金は、NISA口座の投資枠を最大限活用するための保険料として国に納めたと割り切りましょう!
おわりに
「高値掴みしたくない!」と思うのは誰でも一緒ですよね。今回は、万が一、高値掴みした場合でもなるべく後悔を小さくする投資方法について考えてみました。なお、今回ご紹介した特定口座を使った投資方法は、現状のような株価の上昇局面での利益の最大化を目指した投資方法ではなく、あくまで後悔を最小限にする方法だと考えています。