新NISAがスタートして約11か月が経過しました。新NISAは始めたけど勧められるがまま口座を開設したため、別の金融機関に変更したいという方もいらっしゃるでしょう。そこで、今回はNISA口座の変更について説明をしていきたいと思います。
はじめに
NISAは、少額投資非課税制度(投資上限は成長投資枠240万円/年、つみたて投資枠120万円/年)というもので、国内在住の18歳以上の人であれば、1口座開設ができます。
NISA口座の金融機関は、年単位であれば変更が可能です。
具体的な手続きの流れ
手続き自体は、以下の2つのみです。
・現在口座がある金融機関(以下、旧金融機関という。)から「勘定廃止通知書」or「非課税口座廃止通知書」の入手
・変更したい金融機関(以下、新金融機関という。)に「勘定廃止通知書」or「非課税口座廃止通知書」の提出
それでは、具体的な手続きについて楽天証券を例にして説明していきます。
a.旧金融機関で行う手続き
旧金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を発行してもらう必要があります。
楽天証券の場合は、自身の口座にログインし、勘定廃止の申し込みを行います。申込日を含めて4営業日目の8時頃からPDFで閲覧可能となるそうです。さらに、詳細な手続きが確認したい方は、以下の楽天証券のHPをご参照ください。
なお、金融機関により、オンラインで手続きをできるところもあれば、窓口でしか手続きをできないところもあります。楽天証券以外の場合は、旧金融機関のホームページ等で確認をされてください。
b.新金融機関で行う手続き
入手した「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」の情報を新金融機関に提供する必要があります。
楽天証券の場合は、既に総合口座を開設済み場合とそうでない場合で異なります。
既に総合口座開設済みの方は、NISAページへログインし、NISA口座申込画面で「他社から乗り換え・再開設」から入手した「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」の情報を入力します。
総合口座を未開設の方は、総合口座開設続きの際にNISA口座の開設も一緒に行います。その際に、入手した「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」の情報を入力します。
さらに、詳細な手続きが確認したい方は、以下の楽天証券のHPをご参照ください。
なお、こちらも楽天証券以外での具体的な手続きは、新金融機関のホームページ等で確認をされてください。
上記手続きが完了すると、新金融機関、税務署で審査され、問題なければ晴れてNISA口座の変更が完了となります。
変更によるメリット
利用したい金融機関で取引が可能
NISA口座を変更したいという方は、旧金融機関のサービスに多少なりとも不満があったはずです。ご自身で選んだ新金融機関であれば、少なくともその不満は多少改善されているはずです。
例えば、投資したいと思っていた商品に投資できるようになったり、取引手数料が低くなったりです。
変更によるデメリット
・取引開始までに時間がかかる
当然ですが、NISA口座の変更には新旧金融機関、税務署が関係してきますので多かれ少なかれ時間がかかります。NISA口座変更が完了するまで、新金融機関でのNISA口座での取引ができません。そのため、余裕をもって手続きを行わないと、来年初めの取引から取引ができなくなりかねません。
・管理が面倒
旧金融機関のNISA口座で保有していた商品は、新金融機関のNISA口座に移管できません。そのため、旧金融機関で全て売却してしまわない限り、新旧金融機関の口座を管理する必要が出てきます。
ただ、NISA口座の年間投資可能金額がNISAの投資上限額に満たない場合は、一旦全額売却し、新金融機関で再度購入することでこの問題は解消されます。
例えば、2024年の投資合計が100万円で、2025年の投資予定合計も100万円の場合は、NISAの年間投資可能額240万円以下となりますので新金融機関の口座にまとめることが可能です。
含み益が多額にあり、2024年の時価が240万円以上の場合は、2025年と2026年に分けて投資しても良いですし、つみたて投資枠で投資可能なものであれば、つみたて投資枠で投資すれば2025年中にまとめることが可能です。
おわりに
NISA口座を変更したいという方は、相応の理由があることかと思います。そのため、まずは上記手順で変更手続きされてください。不満を言っているだけでは何も変わりません。手続きはいつでもできます。少しでも早く不満がなくなるといいですね!