税制改正要望とは
令和8(2026)年度税制改正要望が財務省のホームページにて公表されてます。

そもそも税制改正要望は、通常毎年8月末までに各省庁等から財務省、総務省に提出する翌年度に求める税制改正案のことです。
これらは、政府税制調査会、与党税制調査会で議論検討され、その年の12月に税制改正大綱とし財務省、総務省から公表されます。その後、法案作成、国会提出、国会審議、成立され、施行されます。
そのため、現状公表されているものはあくまで要望であり、今後の施行されることが約束されているものではありません。
NISAの拡充
今回は、各省庁等から提出された要望の中でも、以下のものについて注目しました。
それは、金融庁の要望No.14の「NISA対象商品の拡充を含む制度の充実」という項目です。
具体的な要望は次の3つです。
①つみたて投資枠の対象年齢等の見直し
②対象商品の拡充等
③非課税保有限度額の当年中の復活
ジュニアNISA?
3つの要望うち、①つみたて投資枠の対象年齢等の見直しに注目していきます。①は金融庁だけでなく、こども家庭庁との共同での要望だからです。(②③は金融庁単独での要望。)
子供向けの制度して、ジュニアNISAという制度が以前は存在していました。(2023年に終了)
今回要望に上がっている新NISAのつみたて投資枠と比較すると以下のようになります。
ジュニアNISA (2023年に制度終了) | 新NISA (つみたて投資枠) | |
対象者 | 0-17歳 (2023年1月1日以降) | 18歳以上 |
年間投資可能額 | 80万円 | 120万円 |
投資対象 | 上場株式・投資信託等 | 投資信託 (金融庁の基準を満たしたもの) |
購入方法 | スポット・つみたて | つみたてのみ |
引き出し制限 | あり | なし |
投資額は新NISAの方が大きいですが、投資対象や購入方法はジュニアNISAの方が選択の幅が広くなっていました。ジュニアNISAでは、引き出し制限が設けられていましたが、そこがネックになって利用者が少なく、制度として廃止される流れになりました。ただ、既にジュニアNISAをお持ちの方は、引き出し制限はなくなっています。
新ジュニアNISA・こどもNISA
今回の要望の名称がどうなるかはわかりませんが、ここでは、新ジュニアNISAと呼ぶこととします。
要望の内容であれば、基本的には新NISAのつみたて投資枠の内容をそのまま引き継ぐ可能性が高いと考えられます。ジュニアNISAが不人気の要因だった引き出し制限が、新ジュニアNISAでも適用されるかは気になるところです。
おわりに
現時点では要望ですが、実際に要望のように改正されると子育て世代には大きな影響を与えるかもしれません。例えば、児童手当等を銀行預金で運用している方や学資保険で運用されている方は新ジュニアNISAを用いて非課税で運用することにより、家計への負担が減らせるかもしれません。当然ですが、NISAでの運用は元本が保証されませんので、将来元本割れする可能性がある点も十分に注意されてください。つみたて投資について知りたい方は以下のNISAのホームページ「長期・分散・積立投資」を参考にされてみてください。